チャンピラ日記(仮)

電気も水道も無い場所でコハル(犬)と暮らすコミュニティ開発隊員の日常

狂犬病の犬に遭遇した時の話

世界には、いろいろな感染症がある。

狂犬病もその一つ。犬だけでなく、人間にも感染する。

そんな狂犬病に関するお話。

 

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度胸無いのに好奇心だけは犬一倍

狂犬病とは

狂犬病ウイルスを持った犬やコウモリに咬まれたり、

傷口や粘膜をなめられることで感染し、

発症するとほぼ100%死亡するという恐ろしい病気。

日本では現在、狂犬病は発生していない。

 

狂犬病予防法が制定される1950年以前、日本国内では多くの犬が狂犬病と診断され、ヒトも狂犬病に感染し死亡していました。このような状況のなか狂犬病予防法が施行され、犬の登録、予防注射、野犬等の抑留が徹底されるようになり、わずか7年という短期間のうちに狂犬病を撲滅するに至りました。(出典:狂犬病|厚生労働省) 

 

予防法

咬まれないことが一番の予防法。

ここマラウイのように、狂犬病に感染するリスクがある国に渡航する場合は

複数回の予防接種(暴露前ワクチン)を接種することが推奨されているが、

暴露前ワクチンを受けていたとしても、動物咬傷が発生した場合は

追加接種(暴露後ワクチン)が必要になることがある。

※私自身は過去5年間で暴露前4回、暴露後2回の接種歴があります。

 

海外で犬に咬まれたら…?

この記事を読んでいる手を止めて今すぐ病院へ行ってください。

同時に、狂犬病のおそれのある動物に咬まれたら、傷口を石鹸と水(できれば流水)でよく洗い、消毒液で消毒します。空気に触れると直ぐに感染力が弱まるウイルスです。粘膜から感染する可能性があるので、決して傷口を口で吸いださないでください。

(出典:FORTH|お役立ち情報|感染症についての情報|狂犬病

 

狂犬病らしき犬に遭遇

私が住む村には、メイン通り(と言ってもオフロード)沿いに

小さな小さなトマト売り場がある。

そこに綺麗な黒毛を纏った可愛い犬が座っており、

私と一緒に歩いていたコハル(飼い犬)がその犬に近付いていった。

 

その時。

 

遠く前方から、白い犬が走ってくるのが見えた。

近付いてくるにつれ感じる違和感。

 

毛がない…?

 

最近何かで、毛が全部抜け落ちる犬の病気があると読んだ。

病気をうつされたらたまらない、と警戒する私。

 

帰り道を変えよう。

 

草むらを挟んで横にずれ、トマト売り場から脇道に入ったとき。

目の前にその犬が現れた。

やはり毛が無い。むき出しの皮膚。

そして。

口からヨダレと血をダラダラ垂らし、右目から血を流している。

 

待って待ってこれ何の病気?狂犬病じゃないよね…?

 

いやほんとに無理、と固まる身体。

走ったら追いかけられる。

いつ噛み付かれるか分からない。

ジリジリと後ずさりする私。

何か投げようにも、手が動かない。


近くにいるマラウイアンが、

Be careful that dog!!!

と叫んできた。一斉にこっちに向けられる目。

 

え、気を付けろって、どうやって…?

 

は?!どうすれば良いの?!

と叫ぶと、そのマラウイアンが手を叩いて音で犬を脅した。

 

その瞬間。

 

ワーーーー!!!!!

と声があがり、どこにそんなにいたの?!というくらい大勢の

男の人と子どもたち、そして黒毛の犬が顔面血まみれ犬を追いかけ始めた。

30人くらいはいたと思う。

 

棒で地面を叩きながら追いかける人。

犬にレンガを投げつける人。

 

逃げる顔面血まみれ犬。

吠えながら追いかける黒い犬。

石やレンガを投げ続ける人。

追いかけようとするコハル(度胸無いくせにやめろ)

目の前で何が起きたのか飲み込めず、みんなが遠く離れた隙に

とりあえず場から離れようとした時。

 

戻ってきた。

 

というか、犬が私に向かって走ってきている気がする。

逃げる私とコハル。

すぐそばまで来たところで、追いかけていた軍団にさらに人が加わり

犬が方向転換した。

どこかへと走って行く彼ら。

その隙に逃げ帰る私。

途中、興奮しながら戻ってくる人たちとすれ違った。

その後のことは知らない。

ここでは狂犬病の犬は磔にされるみたい。

 

集団心理?

The Warm Heart of Africaの愛称を持つこの国。

比較的穏やかな人が多いと言われている。

そんな国のとある穏やかな人の言葉。

「交通事故を起こしたら、停まらずに警察署へ行け。危険だ」